Gadriel
ガブリエル
「神の英雄」「強き者」
ガブリとは、シュメール語で総督、統治者を意味する。
天啓、智恵、慈悲、贖罪、約束の天使。神の玉座の左側に立っている。 大天使。
エデンの園の統治者であり、智天使の支配者である。
天使とは両性具有の存在であるため、男性でも女性でもないが、このガブリエルだけは絵画においても女性の姿で描かれることが多い。
ガブリエルが女性と考えられる理由は、『トビト書』でガブリエルが神の玉座の左側に座していたことにある。
昔のユダヤの習慣では主人の左に座を占めるのは女性ということになっていたからだ。
しかし、この説はユダヤ、キリスト教では認められているものの、敬虔なイスラム信者には否定されている。
ガブリエルはマリアに来るべきキリスト誕生を告知する役割をつとめた事で最も有名である。
この役割で最も良く絵に描かれる。手に純潔のシンボルである百合の花を持っている姿で有る。
ナザレの町のダヴィデ家ヨゼフの婚約者であるマリアの前に現れ、イエス・キリストの懐妊を伝える。 マリアが処女なのにどうして？と戸惑っていると、ガブリエルは「聖霊がマリアのもとにおりてくるのだから子供は聖なる子供だ」と言う。
天使は「主の御使い」と呼ばれるがカトリックの伝統では、これはガブリエルと言う事になっている。
ガブリエルは聖書正典中では、旧約では『ダニエル書』、新訳では『ルカによる福音書』において計四回名前があがっている。前者では大災害が起きることを知らせる幻視をダニエルに見せ、後者はマリアへの受胎告知である。これらの重要な役割を担ったことが、ガブリエルをカトリックでの天使崇拝で特筆すべき地位 に当たらせている。
その他ガブリエルは多数のヘブライ語文献や民話に登場することになっている。『創世記』の記述には特定されていないが、ユダヤ教ではソドムとゴモラの街を滅ぼしたのはガブリエルとされている。
ガブリエルはイスラム教の天使論でも突出した存在で有り、聖霊と同等と考えられている。ムハンマドにコーランを口頭で伝えたのは百四十組の翼を備えたガブリエルだという記述がある。洞窟で瞑想に励むムハンマドのもとに大天使ガブリエルは現れ、神秘的な文字の記された一枚のショールを示した。そして神の言葉を伝え、それをムハンマドに書き取らせた。それがコーランという聖典だという。
イスラム教ではガブリエル（ジブリール）は“真理の天使”と呼ばれている。 イスラム教神智学では叡智と天啓の天使で有る。
ガブリエルの描かれる姿は穏やかで優しい眼差しで祝福のポーズをとっている。

神の前の天使
神に近い所にいる身分の高い天使の一群。
ミカエル、メタトロン、サンダルフォン、ウリエル、ジャオエル、スリエル、アスタンフェウス、サラケル、ファヌケル、ザグザゲル、イェフェフィア、アカトリルである。
ラビによる伝承ではさらに七十人の守護天使を「神の前の天使」と表現している。
神の前の天使のもう一つの呼び名は「顔の天使」である。

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